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あなたの知らない空き家問題
【目次】
1.空き家の問題とリスク
1-1.実は社会問題になっています
あなたはサザエさんをご存知でしょうか。以前の日本はサザエさん一家のように親、子ども、孫と3世代あるいは4世代が同じ屋根の下に住む家庭が大半でした。現在でも3世代、4世代が同じ屋根の下に暮らしている家庭もありますが、両親は田舎に住み、成人した子どもは都会に住んでいる、という家庭も多くなってきています。
地方と比較すると都心のほうが仕事もあり、現役で働いている世代は都心あるいは都心に近い場所に住み、地方に住むことのメリットは少なくなりつつあります。
子どもと別の家に住む両親が亡くなるとその家は空き家になります。この空き家が現在、社会問題になっています。
平成30年の調査によりますと、空き家数は846万戸、すべての住宅のうち空き家の割合は13.6%、ここ10年間で90万戸増加しています。
日本では特に戸建てに関しては、中古住宅よりも新築信仰が強いため、古民家など一部の建物を除き、中古の一軒家に住もうという人は少数派です。
空き家になることで不審者や浮浪者、時には犯罪者が住みついたり、除草されないために害虫・害獣が発生するといったケースもあります。
1-2.空き家でもこんなに費用がかかっています
あなたが生まれ育った家ですと、両親が亡くなったあとも建物は残しておきたいと思うかもしれません。
しかし、誰も住んでいない家でも維持費がかかるのをご存知でしょうか。
両親が亡くなり、あなたが実家を相続した場合、かかる費用をシミュレーションしてみます。
・固定資産税:年間10~12万円(平均、地域や建物、土地によって変わってきます)
・光熱費:年間2~3万円
・火災保険:年間12万円(火災保険は空き家の場合、人が住んでいる住宅よりも保険料が高くなることが多くなります)
・地震保険:年間6万円
合計30~33万円かかる計算になります。
その他に庭木の剪定、除草が必要になる場合もあるでしょうし、あなたが住んでいる場所と実家までの距離があれば交通費もかかります。空き家の管理を依頼しているのであれば、管理費も必要になります。
これらの費用も合わせると、年間40~50万円かかる計算になります。誰も住んでいない家に対して、あなたは毎年40~50万円支出できますか?
2.なぜ整理が必要?
2-1.放置することのデメリット
実家を整理せずに放置しておくと、費用以外にもデメリットが生じます。
①隣家や道路にまで草木が生い茂ると迷惑になりますし、いざ手入れしようにも大変になります。
②荒れた空き家は資産価値が下がり、売却や貸し出すことも難しくなります。
③不審者や浮浪者、または犯罪者が住み着く可能性があります。
2-2.特定空き家に指定されるリスク
特定空き家とは、放置し続ければ倒壊など、著しく保安上危険となるおそれがある状態をいいます。放置し続ければ著しく衛生上有害となるおそれもあります。
適切な管理が行われていない、衛生上・保安上の問題が発生している空き家は「空家等対策の推進に関する特別措置法」の適用対象となります。適用対象となりますと、「建物の解体・修繕」「立木竹の伐採」といった助言・指導が実施されることになります。
指導が行われても改善されないと、勧告・命令、最終的には強制執行が行われます。地方税法に則り、該当の敷地は固定資産税などの住宅用地特例の対象から除外されます。住宅用地特例の対象から除外されますと、税金を多く払わなければなりません。
2-3.主な整理方法
空き家になった実家を整理する方法には以下の3つがあります。
①自分で整理
親が亡くなるといろいろな手続きが必要となり、すぐに実家の整理には取り掛かれませんし、時間が経つほど家も傷んでいきます。実家の隣家とトラブルになる可能性もありますので、できるだけ早く取り組まなければなりません。
②業者に依頼
時間がない、人手が足りない、高齢である、体が不自由であるといった要因がある場合は、業者に依頼したほうがメリットは大きいです。個人では重たい荷物を運ぶのが大変ですが、業者に依頼すれば重たい荷物を運び出してくれます。
空き家になりますと、ゴミや不用品で溢れていたり、害虫・害獣が発生している場合も考えられます。害虫や害獣が発生している場合は特殊清掃が必要になることもあります。
③売却先・賃貸先を探し委託
①、②に比べ理想的な選択肢ではありますが、地方であったり、駅から遠い、家が古いといった条件が重なりますと売却先、賃貸先を探すのは困難になります。
3.空き家に関する困りごと
3-1.どこに相談したらいいですか?
自治体、NPO法人、不動産会社で相談可能です。自治体やNPO法人では、専門家の力を借りて解体、修繕、相続といった活用や、雑草処理、立木剪定、雨どいの修理といったことも一つの窓口で相談できます。
空き家を活用したいとお考えならば、庭木の手入れ、ゴミ・不用品の撤去とともにお願いできる遺品整理業者がおすすめです。
3-2.空き家の相続を放棄することはできますか?
相続放棄するには相続開始があったことを知った時点から3か月以内に、亡くなった人が住民登録をしていた市町村を所管する家庭裁判所に手続きをする必要があります。
空き家だけを放棄し預貯金などの財産を相続する、ということはできません。相続財産のすべてを放棄することになります。
4.空き家対策 FAQ
Q1.空き家の管理をお願いするとなると管理費はどのくらいかかりますか?
A1.管理会社によって価格に開きがあります。価格を安く抑えることも大切でしょうが、家の換気や清掃、庭木の手入れの有無、機械だけでなく人による巡回の有無などサービスを重視して選ぶようにしてください。
Q2.空き家の持ち主に責任問題が生じるようなことはありますか?
A2.建物の倒壊や庭木・塀が倒れたことによって、近隣住民や通行人に被害を及ぼした場合、賠償責任に問われることがあります。
Q3.空き家の相続を放棄することはできますか?
A3.相続放棄するには、相続開始があったことを知った時点から3か月以内に、相続人が死亡時に被相続人が住民登録していた市町村を所管する家庭裁判所に手続きをする必要があります。
空き家だけを放棄し預貯金などの財産を相続する、ということはできません。相続財産のすべてを放棄することになります。
5.空き家対策 お役立ち情報
5-1.空き家の定義
「空き家」の定義ですが、国交省では1年以上に渡って人が住んでいない、または使われていない家としています。
空き家の判断基準ですが、人の出入りや電気、ガス、水道といった生活に欠かすことができないライフラインの使用有無、登記記録や所有者の住民票の記載内容、物件がきちんと管理されているかなどが挙げられています。
放置すれば、いずれ倒壊等のおそれがある、害虫などの発生のおそれがある、景観を損なう、空き家、庭木など放置することが不適切である状態のものを「特定空き家」と定義しています。
5-2.空き家を更地にするメリットとデメリット
親が亡くなり、土地・建物をあなたが相続したとします。相続した建物である空き家には誰も住まないのだから、「更地にすればいいのでは」と考えるかもしれませんね。
ここでは更地にすることのメリットとデメリットをお伝えします。
まずメリットですが、建物がないため、倒壊するリスク、犯罪リスクが軽減されます。昨今、台風や地震の影響で建物が倒壊するケースが多くなっています。建物がなければ倒壊するリスクはゼロになりますし、不審者も身を隠す場所がないため犯罪リスクも減少します。
反対にデメリットですが、「2-2.特定空き家に指定されるリスク」でお伝えしましたように、住宅用地特例の対象から除外されることになり、固定資産税は最大6倍に、都市計画税は最大3倍に上がることになります。
5-3.空き家整理に対応した業者
空き家整理に対応した業者は以下に挙げるとおりです。
①解体業者:建物の解体に特化しています。一部の解体業者は不用品の処分もおこなっています。
②不用品回収業者:不用品の処分に特化しています。一部の回収業者は買い取りサービスもおこなっています。
③遺品整理業者:遺品整理を得意としています。不用品の処分、買い取りサービスもおこなっています。一部の遺品整理業者は家具や家電の移動もおこなっています。
6.【まとめ】
このように空き家を放置することは様々なリスクがあります。
できるだけ自分で整理することが望ましいですが、遠方に住んでいたり、物量が多かったりと自力での整理が難しい場合、遺品整理業者にお願いするのが良いでしょう。
ではどのように遺品整理業者を選んだらいいか、また、遺品整理とは?
こちらにまとめています。→遺品整理の方法とポイント
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